AI活用を見据え、TaxSysで業務改革へ ベストファーム税理士法人が進めた全社導入の取り組み
ベストファーム税理士法人
AIの活用が進む中、多くの税理士事務所では「AIをどう活用するか」が新たな課題となっています。
ベストファーム税理士法人でも、AIを業務に取り入れるため、自社での開発を検討していました。しかし、実際に取り組む中で、自社だけで仕組みを構築・運用し続けることの難しさを実感します。そこで選んだのが、Google Workspaceを基盤としたTaxSys(タクシス)でした。
今回は、TaxSys導入の背景から、ストリームドからの切り替え、組織への浸透、今後目指す業務改革についてお話を伺いました。
AIを自社開発するのではなく、専門サービスを選択
ベストファーム税理士法人では、AIが税理士業界に大きな変化をもたらすことを見据え、当初は自社でAIを活用する仕組みづくりに取り組んでいました。しかし、試行錯誤を重ねる中で、「自分たちだけで開発・運用を続けるよりも、専門的に開発を続けているサービスを活用する方が、結果として大きな価値につながる」と判断します。
その中でTaxSysを選んだ理由は、単にAI-OCRの機能だけではありませんでした。
融資支援事業などで培われた実績や、サービスを継続的に改善していく開発体制、さらに税理士事務所の業務を理解した仕組みづくりなど、将来性も含めて評価したことが導入の決め手となりました。
繁忙期は一部運用からスタートし、6月に全社切り替えを実施
導入時期は、ちょうど確定申告の繁忙期でした。そのため、いきなりすべての業務を切り替えるのではなく、まずは医療費控除の入力業務からTaxSysを利用開始しました。
繁忙期が終わった後、従来の記帳代行サービスを継続するか、TaxSysへ一本化するかを検討した結果、グループとしてTaxSysへ統一することを決定しました。社内では「ストリームド利用料0円」を目標に掲げ、トップダウンで切り替えを進めました。
その結果、それまで月数万円、繁忙期には十数万円から二十万円程度発生していたストリームドの利用料は、移行の初月から数千円程度まで削減され、ほぼ完全な移行を実現しました。
AIへの不安ではなく、AIを使いこなす組織へ
新しいシステムを導入する際、多くの事務所で課題になるのが、スタッフへの浸透です。ベストファーム税理士法人でも、導入当初は「AIに仕事が奪われるのではないか」と不安を感じるスタッフがいました。
そこで最初に行ったのは、TaxSysの操作説明ではありません。
「これからの時代はAIを使う側になる必要がある」という考え方を共有する研修を実施し、その後にTaxSysの活用方法を学ぶ流れをつくりました。
こうした段階を踏んだことで、大きな反発はなく、「仕事が楽になる」という前向きな受け止め方が社内に広がっていったといいます。
待ち時間がなくなり、不要な作業を減らせる環境へ
導入後、現場から特に評価されたのが、処理の待ち時間がなくなったことでした。
これまでのように処理待ちをする必要がなくなり、必要なタイミングで業務を進められるようになったことで、日々の業務がスムーズになっています。さらに現在は、TaxSysを前提とした新しい業務フローの整備も進めています。
従来行っていた作業を見直し、「やらなくてよい業務」を整理することで、スタッフの負担を減らし、より付加価値の高い仕事へ時間を使える環境づくりを目指しています。
TaxSysをきっかけに広がる、事務所同士の学び
もう一つ大きな価値として挙げたのが、TaxSysを利用する事務所同士の交流です。TaxSys導入をきっかけに、葵パートナーズ様の事務所見学会へ参加し、実際の運用方法や考え方を学ぶ機会を得ました。同じ方向性で業務改革に取り組む事務所同士だからこそ、率直な情報交換ができ、大きな刺激になったといいます。
今後も全国のTaxSysユーザーとの交流や事務所見学会を通じて、新しい取り組みを学び、自社の改善につなげていきたいと考えています。
AIを活用し、人にしかできない仕事へ時間を使うために
ベストファーム税理士法人では、TaxSysの導入を単なるシステムの入れ替えとは考えていません。
AIを活用して入力や単純作業を減らし、その分、お客様への提案や相談対応など、人にしかできない仕事へ時間を使うことを目指しています。
システムを導入することが目的ではなく、業務のあり方そのものを見直し、組織全体で新しい働き方へ変えていく。その取り組みは、これからAI時代を迎える税理士事務所にとって、一つのモデルケースとなりそうです。
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